ジュエリーから、暮らしへ。新潟の伝統が紡ぐ、日常に寄り添う美しさ
新潟の伝統が紡ぐ、日常に寄り添う美しさ DAUGHTERS JEWELRYが新たに始めたSofuシリーズ。それは、ジュエリーという枠を超えて、ブランドの世界観を暮らしの中に広げていく試みです。新潟の伝統織物「小千谷縮」を用いたポーチとバッグ。その背景にはブランドを育ててきた10年の歩みの変わらぬ思い、そして新しく伝統工芸に触れたことで芽生えた世界に伝えたい美意識を発見しました。 飾らない日々に、寄り添うものを。 ジュエリーをつくり続ける中で見えてきたものは、飾るためではなく、心を支えるためのものづくりでした。 ジュエリーから暮らしのアイテムへ。ブランドが立ち上がって10周年となる節目に、積み重ねてきた価値観や感覚を見つめ直しました。その過程で気づいたことがあります。ビジュアルで大切にしてきた余白は、暮らしの中で余白や余裕を大事にすることの反映でした。そして、お客様に押し付けず、自分で納得して選択していただくというあり方。それは、与えられるよりも自ら見つけ、発見して深掘りすることを大切にする姿勢から生まれていたのです。 10年の節目だからこそ、無自覚だった価値観が可視化され、それをものづくりに落とし込む意味を改めて感じています。日々の中で、そっと手に取れるものから始めた。ジュエリーから掛け離れすぎない小物。暮らしの中で自然に手に取れるもの。そこからSofuシリーズを始めることにしたのです。 伝統工芸の価値観を、インスピレーションに DAUGHTERS JEWELRYは新潟ではじまったブランド。せっかくであれば、同じ土壌で息づくものづくりを取り入れたい。風土に根付いたものを調べてみると、実は伝統工芸だけでなく、ステンレス製品やニットなど、多様なものづくりが盛んな土地です。その中で選んだのが、国の重要無形文化財に指定されている「小千谷縮」でした。 麻ならではの質感はもちろん、シワさえも味わいに変える独特の風合い。その「自然体の美しさ」は、ジュエリーと同じく長く寄り添うものとして相性を感じました。 実際に小千谷の直売店を訪れた時、そこには流行とは異なる落ち着きと、職人たちの誇りある空気がありました。 そしてもう一つ。「MADE IN JAPAN」として大切にしたい価値観があります。それは、単に「日本製」という品質表示ではなく、日本の美意識や感性を日常に落とし込むこと。昔の人が生み出したものを、今でも美しいと感じられることは本当にすごいことです。移り変わりの速い時代だからこそ、その普遍的な美しさにリスペクトを持って展開を広げていきたいと考えています。 暮らしの機微に寄り添う日常の中で機能する美しさ Sofuシリーズは、ポーチとバッグの2アイテムからスタートしました。まずは日常の延長線上で自然に取り入れられるものを、という考えからです。ジュエリーだけでなく、コスメや小物を気軽に収納できるように設計しました。 バッグの中でかさばらないよう、無駄な装飾を省いたシンプルな形に。派手な柄や実用性を考慮しないデザイン優位の設計は避けました。日常に寄り添うものだからこそ、飾りすぎず、機能を損なわないことを大切にしたのです。 巾着の紐は細く仕立て、扱いやすく上品なレザー調コードを採用。小千谷縮の生地は使うほどに柔らかくなり、通気性も良いためジュエリーの保管にも適しています。バッグはレジ袋型のフォルムにして、しっかりとした持ち手で重さを支える設計。細いベージュのストライプは穏やかなアクセントになっています。 そして、機能性として特にこだわったのが気兼ねなく洗えること。エコバッグやコスメポーチとして使うなら、清潔に保てることが大切です。 実際に手に取ると、小千谷縮ならではの心地よさが際立ちます。さらりとした質感の中にやわらかさがあり、シボの凹凸が生む陰影が特別な存在感を放ちます。ポップアップでは、多くの方が素材そのものの魅力に触れ、その心地よさを口にされていました。 日本の美意識を、日常に Sofuシリーズの今後には、さまざまな構想があります。そして新潟の他の伝統工芸や技術にも関心が広がっています。特に注目しているのはステンレス。軽くて丈夫で、形を変えてさまざまなものに使える素材です。例えば、鏡やジュエリーボックスなど、日常に長く寄り添えるアイテムをこの素材でつくることも考えています。 これからさらにDAUGHTERS JEWELRYの表現として海外展開を見据え、日本の文化を感じる製品や技術を日常に取り入れやすいかたちで提案すること。日本の製品を通じてさらに様々な方向に展開できる可能性を視野に入れています。
